日本透析アクセス医学会(旧:日本アクセス研究会)理事長就任にあたり
この度、大平整爾理事長のご逝去に伴い、平成29年10月より川西秀樹が新理事長に就任いたしました。
大平整爾前理事長は2017年9月5日にご逝去されました(享年81歳)。大平先生は1962年北海道大学医学部卒業され、東京都立川市米軍空軍病院インターン、カナダ・トロント大学生理学部研究員を経て1972より岩見沢市立総合病院で透析医療を立ち上げられ、1997~2002年日鋼記念病院院長、2002より札幌北クリニック院長・顧問として活躍されてこられました。その間、日本透析医学会理事長を務められ、その業績は腎不全・透析医療の全般に及び、本邦の透析医療のパイオニアの一人でした。
日本アクセス研究会は1998年に故太田和夫先生を会長として創設され、2008年より大平会長・理事長の下に研究会を主宰してまいりました。大平先生には研究会創設の時よりご指導いただき、当時まだ若輩であった我々を導いていただきました。
現在、日本透析アクセス医学会は学術集会の主催のみならず実技研修会を定期的に開催し、透析アクセスの標準化と新規開発を行っています。その成果は国内のみならず海外にも広がっており、ヨーロッパVascular Access Society (VAS)、アメリカVascular Access Society of America (VASA), アジアAsian Pacific Society of Dialysis Access (APSDA) などの国際学会と連携を計っています。
今後とも先人たちの築かれた土壌の上に、新たな展開を求めていく所存です。会員並びに関係諸氏のご支援をお願い致します。
2017年10月
川西 秀樹
日本アクセス研究会の法人成立:新たな一歩を踏み出そう。
日本透析医会主催の「アクセス研究会」が開始されたのは1989年で、第7回の1995年まで継続されました。透析医会はその研修課題をアクセスに限定しない方針に変更いたしましたが、維持透析におけるアクセスの重要性に鑑みこの領域を特化して論ずる場として「アクセス研究会」を独立した組織で運営することが太田和夫先生らから提案され、1996年に発足いたしました。第1回研究会は1998年高松市(主宰:沼田 明先生)で開催され、以降、全国各地で特徴ある研究会が開催され、その多大な成果(業績)を「腎と透析・別冊」に掲載された記録集で振り返ることができます。第12回研究会世話人会(主宰:政金 生人先生)で本研究会の法人化が発議承認され、その手続きが内藤秀宗先生・川西秀樹先生らを中心に進められてきましたが、2009年8月24日に「特定非営利活動法人・日本アクセス研究会」として承認されました。本研究会は今後明確な公的基盤を有する組織として、新たな一歩を踏み出すことになります.これまでも本研究会の発展に寄与してこられた諸氏が正会員または施設会員として参画され、一層活発な学術活動が展開されることを強く望む次第です.維持透析の命綱・ライフライン・生命線と目される血管・腹膜アクセスの成績向上への情熱を絶やさずに、今後も会員一同で奮励努力する研究会を目指しましょう。
2009年9月29日
大平 整爾